2019 年「POP AMBIENT」 最新潮流

ミズベリングミュージック、谷崎テトラです。

深く美しいアンビエントポップの世界をあなたのこころの水辺に届けたい!ということで、ディープミニマルからエレクトロなど様々の良質なテクノをリリースしているドイツの名門レーベル KOMPAKTから、今年もまた『POP AMBIENT』の2019年盤が、リリースされました。KOMPAKT創設者のひとりで、本作のチーフ・キュレーターを務めたウォルフガング・ヴォイト(Wolfgang Voigt)が収録曲全13曲をミックスした約4分のトラックをフィーチャーしたミュージックビデオが公開されています。「POP AMBIENT 2019」は、Spotify、Apple Musicで配信開始。全曲リスニング可なので、ぜひ聴いてみてください。

Pop Ambient 2019

クラブカルチャーの歴史において一見変化がなさそうにみえるアンビエントシーンですが、80年代ブライアンイーノによる環境音楽=アンビエントから始まり、クラブカルチャーとともに、アンビエントハウス、そして90年代のチルアウト、チルウエーブ、サウンドスケープ、ダークアンビエントと緩やかに流行があったりします。2000年にウォルフガング・ヴォイトによって始まったPOP AMBIENTもその印象は変化しているように感じます。その印象はより深海の底のように深く、美的で静謐な世界へと向かっているかのよう。その特徴は「ドローン( drone)」と言われる音像です。ドローンは100%キックなし、ビートなしの音楽。ドローンの歴史は古く雅楽やビザンティン聖歌、インドのタンプーラなどをルーツに持津とも言われますが、現代のドローンは、硬質なディープミニマルに重ねてスピンされる音楽です。現代においてはホワイトノイズのような非楽音、波音や風音のサウ
ンドスケープなどをゆっくりと変化させることで作られます。コードがある音楽でも協和音と不協和音の微妙な変化で、「明るくも、暗くもない」持続音作られているのが多いです。みる人によってどのような解釈も可能な抽象絵画のような音像であることが求められます。そしてそれぞれの楽曲を幾層にも重ねていって、フロアの空間の背景となる1時間以上続く音楽体験へと誘う素材集であることも特徴でしょう。これ以外にも2019年初頭に聴く、僕のおすすめアンビエントをいくつか紹介します。ニューヨーク在住の電子音楽家ロリ・スカッコによる2018年のアルバム『Desire Loop』より。ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするアンビエント・レーベル〈Mysteries Of The Deep〉から。ここ数年、流行しているモジュラーシンセによるシーケンス音楽。心地よい波紋のようなミニマルミュージックです。

Lori Scacco – Strange Cities (Official Video)

2015年のデビュー以来、Pop Ambient にトラックを提供してるトー レ・ファイファー。ドイツのマインツを拠点に活動しているアーティストです。今回のPop Ambient 2019でも存在感を示しています。古い8mmフィルムで撮影された森の中の水辺の風景に深いドローンが響く、印象派ドローンミュージック。

Thore Pfeiffer – Good Life (Official video)

そしてPop Ambient のサウンドプロデューサー、ウォルフガング・フォイトによる個人プロジェクトGasによる2000年の作品「 Pop」。
1時間に渡るアンビエント大曲です。ここからポップ・アンビエントと言われる潮流が始まったと言っても過言ではありません。

Gas – Pop [Full Album]

いかがでしたか?
今回は2019年の最新アンビエントポップを紹介してみました。
ミズベリングミュージック、本年もよろしくお願いいたします。

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キュレーター

1964年生まれ。放送作家、音楽プロデユーサー、ワールドシフトネットワークジャパン代表理事。環境・平和・社会貢献・フェアトレードなどをテーマにしたTV、ラジオ番組、出版を企画・構成。また世界の聖地を訪れ、現地録音した様々なサウンドスケープをもとにシャーマニカ、アンビエント・チルアウト系のトラックメイク、DJをおこなう。S.T.K、VOID OV VOID、PREM、PBCなど複数のユニットでライブもおこなう。彼方音像主催。

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